WBS、ソムリエエクセレンスのなーなです。
ヨーロッパ(ドイツ)では外食すると結構値段がします。
お店のランクにもよりますが、ビストロやオステリアのようなクラスのお店に2人で行ったとします。
水(有料)、料理2,3品、デザートとコーヒーを注文すると、80~90€(11,000~13,000円)。
その代わり、スーパーやマーケットなどでの野菜は美味しくて安いです。
日本の食事は美味しくて安くて素晴らしいなぁとつくづく感じます。
一方で、私たちソムリエのようなサービス業に携わる立場で見ると、外食に対する価値を認めている文化を素晴らしいとも感じます。
今回はテイスティング試験についてお伝えします。
エクセレンス試験のテイスティング
どんな試験内容なのか
飲料は5アイテム、ワイン4種類、その他飲料1種類の出題です。
制限時間は50分です。
ワインは、赤・白、場合によってはロゼの出題もあります。
その他飲料については一般呼称で出題されるものと同様のアイテムが出題されています。
とにかく、この試験は時間との闘いです!
一時間近くも時間があるのに、ギリギリになります。
出題のされ方は、ほぼ空白の大きなマスの中にテイスティングコメントを埋めていくという方法です。
具体的な内容は下記の通りです。
- このワインについてできるだけ詳しくコメントしてください。
- このワインのシチュエーションを1つとその理由を提案してください。(エキスパート)
- このワインの相性料理1品とその理由をコメントしてください。
- このワインから予想される醸造方法について出来るだけ詳しくコメントしてください。
- その他飲料/この飲料の相性料理一品とその理由をコメントしてください。(飲料の名前・原産国・原材料)
- ワインの品種、生産国、収獲年、アペレーション(できれば原語で回答できる準備を)
どうでしょうか?
不安になった方もいらっしゃるとおもいます。
一般呼称の時のように選択肢はありません。
自分の力で、できるだけ回答を埋めていかなくてはいけません。
でも大丈夫です!
しっかりとノウハウを体得して練習すればパスできます。
実際に2022年度WBSでは二次試験を指導した方、全員が合格しました。
ではどうやって勉強していくのか?
これを見ていきましょう。
NGな勉強方法
- 沢山の種類のワインを実際にテイスティングする
- マニアックな品種やある分野や特定の地域のワインばかりテイスティングする
- 品種当てゲームに走る
これらは結論から申し上げますと、エクセレンス試験のテイスティング対策において最も効率の悪い勉強方法です。
確かに、エクセレンス試験では突っ込んだ品種も過去に出題されてはいました。(フィアーノとか。アリゴテはテイスティングしておいても吉)
品種やアペレーションとしては難しいものは出題されていないのがお分かりになると思います。
ソーヴィニョンブランの出題であるのに、アペレーションがオーストラリアなどそのような出題はありません。
実際にテイスティングするとしたら、一般呼称で出題されるのと同じようなワインで練習するのが吉です。
出題者側としては、エクセレンスの資格保持者にとって正確なテイスティング能力があるか?を判断したいだけです。
基準となる基礎品種がしっかり判定できる。
これが求められる能力です。
効果的な対策方法
エアテイスティング!
目の前にワインが無い状態でコメントを埋めていく練習です。
これに尽きます。
実際にWBSで二次試験に合格した方には全員この方法で練習していただきました。
例えば、目の前にChantiがあると想定して「フルコメント」してみる。
こういった練習を日々繰り返すのです。
どうやって勉強するのか?
フルコメント
この用語を覚えておいてください。
外観、香り、味わい、栽培条件、醸造方法、サービス方法、ペアリングorシチュエーション、結論(品種、原産国、アペレーション、収獲年)
これらを書ききることです。
まずは第一にテイスティングフォームの確立。
テイスティングフォームとは、上記に挙げた順番でテイスティングコメントを埋めていくということです。
最初に味わいからコメントする
ではダメなのです。
参考書籍「テイスティングは脳でする」
※私は受験期間この本を3回繰り返し読みました。
きちんと、外観、香り、味わい、、、の順番でコメントする必要があります。
これには理由があります。
-
採点者側が点数を入れやすい。
第二日程のスケジューリングをご覧いただくと、
テイスティング試験、論述、実技
これらの試験が1日で同じ日に行われることになっています。
採点者側からすると、ハードスケジュールです。
ここでどんなに回答の表現が素晴らしくても、品種が当たっていたとしても
点数を付けづらい回答をしていると得点になりません。
採点する方たちが点数を入れやすいように配慮しながら回答することが重要です。
上手でなくてもいいので見やすい字で書く。というのも大切ですね。審査員の心象も異なります。
-
国際基準でそうなっている。
ASIのホームページをご覧いただきますと、コメントの基準が示されています。
ASIは国際ソムリエの資格で、ソムリエ協会としてはエクセレンス試験の延長にこの試験があると捉えています。
ですので、採点基準や出題内容としてはここから引用しているケースが多いです。※参考までに
テイスティングは一種の原語通達手段と捉えてください。
お手本となるテイスティングコメントとして、2人ソムリエがいるとします。
一人がテイスティングコメントをフルコメントで述べた場合、もう一人のソムリエがそのアイテムを理解して、回答できる。
これが良いテイスティングコメントとされています。
採点側がコメントを読んだとき、ああ、そうだよね。この品種はこのコメントだよね。
と思ってもらえる順番と言葉で書くのが得点のポイントです。
どうでしょうか?
なんとなくですが、テイスティングの対策について想像できたでしょうか?
参考資料まとめ
ソムリエ教本、テイスティングのページ、テイスティングガイド(2022年度版 755P、776P)
WBSテイスティングガイドの仮想テイスティング
毎日の積み重ねが実を結ぶ!
それではまた★
Bis bald!